近年における自動車の海外輸出事情


近年における自動車の海外輸出事情

「日本車」といえば「日本で生産された自動車(=国産車)」のことです。しかし近年、そこに「日本拠点のメーカー(ブランド)が販売する自動車」のことも含まれるようになりました。いわゆる「日本ブランド車」です。こういった概念が生まれた背景には「日本車の海外輸出」の動向が大きく関わっていました。

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日本車の輸出相手となっている主な国は、アメリカや西ヨーロッパ諸国です。ここで「強み」となる日本車の特徴は、一言でいえば「優れた品質」です。日本の輸出品に対し行われたイメージ調査において、「質が良いと思うモノ」の中に「自動車」が頻繁に登場します。また、海外の消費者団体が「信頼性や安全性」の調査を行った結果、「推薦し得る自動車」として日本車を挙げています。

「信頼性の高さ」と「燃費の良さ」という2枚看板が、海外で日本車を優位にしていることは、たとえばレクサス(トヨタの海外輸出向け高級車ブランド)が海外での自動車耐久部品の調査で10年以上トップであり続けたことや、外国の環境保護庁の行った「自動車燃費ランキング」のトップ40の中に、日本車が10車種以上入っていたことにも表れています。


しかし、最初から日本車が海外で受け入れられたわけではありません。日本車の海外輸出第一号の「トヨタ・クラウン」に対する評判は決して高くありませんでした。ところがその後の15年で、日本の各メーカーは飛躍的に技術力を向上させ、ホンダがCVCC(低公害エンジン)を開発して、世界の評価を大きく変えました。1980年代後半には、「売れすぎる日本車」への貿易摩擦や、円高、関税、輸入規制などにより、自動車輸出を取り巻く状況がどんどん不利になる中、各日本メーカーはその生産拠点を、販売する海外主要地域へシフトしました。

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当初は「組立工場」として日本から主要部品を輸送していましたが、やがてはそれらも現地で生産されるようになり、海外で販売される日本車の多くが「現地で生産された日本車」となっていったのです。今や日本国内に逆輸入されるようになった「外国生まれの日本車」は、日本車メーカーが多くの障害を乗り越えた証のひとつといえるでしょう。超円高、東日本大震災、電力不足、タイの洪水による部品不足、中国、韓国の台頭など、最近の自動車産業を取り巻く環境は決して良いとはいえません。しかしかつてそうだったように、日本の自動車メーカーはその技術力で、この困難を乗り越えていってくれるはずです。